過去の生活や理想ではなく、今の体と動きに合う家具を考えよう!
以前は便利だった家具が、今は少し使いにくい。それは家具が悪くなったのではなく、自分の暮らし方や体が変わったからかもしれません。
家族の人数、家での過ごし方、よく使う物、立ったり座ったりするときの体の感覚は、少しずつ変化していきます。
この記事では、家具の高さ・立ち座り・手の届き方・通り道を確認し、今の自分に合っているかを見直す方法をお伝えします。
家具を処分したり、すぐに買い替えたりする必要はありません。
今ある家具の位置や向き、使い方を変えながら、体が自然に動けるお部屋を見つけていただける内容です。
今ある家具を見直してみよう
家具は、一度買ったら長く使うものが多いですよね。
気に入って選んだダイニングテーブル
家族みんなで座るために買った大きなソファ
たくさんの物をしまえる収納棚
以前のお家から持ってきた思い出の家具
買ったときには、自分の暮らしに合っていたはずです。
ところが、いつの間にか、
「この椅子から立つのが少し大変」
「この棚の上段は、ほとんど使っていない」
「ここを通るたびに体を横にしている」
と感じるようになることがあります。
毎日使っているうちに慣れてしまい、家具に自分の体や動きを合わせていることもあります。
でも、家具は私たちが我慢して使い続けるためのものではありません。

家具は変わらなくても、暮らしと体は変わっていく
家具を選んだときと、今の暮らしは同じでしょうか。
子どもが小さかった頃は、家族で座れる大きなテーブルが必要だった。
以前は来客が多く、たくさんの椅子を使っていた。
仕事をしていた頃は、毎日きちんとした机に向かっていた。
けれど、家族構成や生活時間が変われば、必要な家具の役割も変わります。
体の感じ方も同じです。
以前は気にならなかった低いソファから、立ち上がりにくくなることがあります。
高い場所へ手を伸ばす動作や、重い引き出しを開ける動作が、少し負担になることもあります。
それは、年齢だけの問題ではありません。
体調や生活習慣、疲れ方によっても、楽にできる動きは変わります。
昔は合っていた家具が、今は合わなくなることがある。
それは、自然なことなのです。
家具をよけながら動いてませんか?
ソファとテーブルの間を、体を横にして通る。
椅子を引くたびに、後ろの棚へぶつかりそうになる。
開き戸を開けるために、床の物をいったん移動する。
ベッドへ行くまでに、何度も方向を変える。
毎日繰り返していると、その動きが当たり前になります。
家具にぶつからないように、体を小さくする。
通れる場所を無意識に選ぶ。
物を取るたびに、体をひねる。
一つひとつは小さな動きでも、毎日のこととなると、体と気持ちに負担が積み重なります。

お部屋の中を歩くときは、家具を見るだけでなく、自分の体がどのように動いているかを感じてみてください。
まっすぐ歩けているでしょうか。
途中で足を止めていないでしょうか。
肩や腰だけをひねっていないでしょうか。
家具の間を通るとき、無意識に息を止めていないでしょうか。
立つ・座る動作を家具が助けてくれている?
見た目が素敵な椅子でも、座面が低すぎると、立ち上がるときに力が必要になります。
柔らかいソファは気持ちよく感じますが、体が深く沈み込みすぎると、姿勢を変えにくくなることがあります。
反対に、座面が高すぎて足が床につかない椅子では、落ち着いて座りにくいものです。
家具の高さには、誰にでも合う正解があるわけではありません。
体格や体の状態によって、心地よい高さは違います。
いつもの椅子やソファに座ったら、次のことを確かめてみましょう。
足の裏は、無理なく床についているでしょうか。
座ったとき、肩や腰に力が入っていないでしょうか。
立ち上がるとき、何度も体を前後に動かしていないでしょうか。
手をつける場所はあるでしょうか。
家具を眺めて考えるのではなく、実際に座り、立ち上がってみることが大切です。
体が楽に動けるかどうかは、見た目だけでは分からないからです。

使う物が無理なく手に届く場所にある?
収納力のある家具を選んでも、必要な物が取りにくければ、次第に使わなくなります。
よく使う物が、高い棚の奥にある。
重い物が、床に近い収納へ入っている。
毎回しゃがまなければ、引き出しを開けられない。
棚の前に椅子があり、物を取るたびに移動させている。
収納にたくさん入ることと、使いやすいことは同じではありません。

今の自分がよく使う物は、立ったまま、あるいは楽な姿勢で手が届く場所にあるでしょうか。
反対に、あまり使わない物が、いちばん使いやすい場所を占めていないでしょうか。
家具そのものを変えなくても、中に入れる物の位置を変えるだけで、使いやすくなることがあります。
よく使う物は、目から腰くらいまでの取りやすい場所へ
重い物は、無理に持ち上げなくてよい高さへ
使用頻度の低い物は、少し取りにくい場所へ
収納は、物を美しく収めるためだけではありません。
今の自分の動きを助けるための場所でもあります。
「高かったから」「まだ使えるから」で残していない?
家具は、小物のように簡単には買い替えられません。
価格も高く、運び出すのにも手間がかかります。
思い出がある家具なら、なおさらです。
「高かったから」
「まだ壊れていないから」
「いつか使うかもしれないから」
そう考えて使い続けることもあるでしょう。
大切に使うことは、素敵なことです。
ただ、残すことと、今までと同じ使い方を続けることは別です。
ダイニングテーブルを、作業机として使う。
使わなくなった椅子を、窓辺で本を読むための椅子にする。
大きな棚を別の部屋へ移し、収納する物を変える。
家具の役割を、今の暮らしに合わせて変えることもできます。
家具を手放す前に、
「この家具は、今の私をどのように助けてくれるだろう」
と考えてみてください。
役割を変えることで、もう一度生かせる家具もあります。
理想の暮らしのための家具が、今の生活を窮屈にしていませんか?
「いつか、友人を招いて食事をしたい」
「大きなソファで、家族みんながくつろげる部屋にしたい」
「たくさんの本に囲まれて暮らしたい」
そんな理想を思い描いて家具を選ぶことがあります。
理想を持つことは、これからの暮らしを考えるうえで大切です。
けれど、未来のために選んだ家具が、現在の生活を圧迫していることもあります。
来客のための大きなテーブルが、普段の通り道を狭くしている。
いつか読む本のための棚が、今使う物の置き場をなくしている。
家族全員で座るためのソファが、ほとんど使われず部屋の大半を占めている。
もしそうなら、理想を諦めるのではなく、今の暮らしとのバランスを考えてみましょう。
折りたためるテーブルにする。
必要なときだけ椅子を出す。
本当に読みたい本を選び、余白をつくる。
理想のために今を我慢するのではなく、今を心地よく過ごしながら、望む未来へ近づいていく方法を探すのです。

家具を買い替える前に、3つのことを試してみよう
使いにくいと感じても、すぐに新しい家具を買う必要はありません。
すぐに購入するのはやめましょう。
まずは、次の三つを試してみましょう。
1.家具の前で、自分の動きを観察する
椅子に座る。
棚から物を取る。
家具の間を歩く。
いつもの動きを、少しゆっくり行ってみます。
どこで体をひねり、どこで手を伸ばし、どこで足を止めているかを確認します。

2.位置や向きを少しだけ変える
椅子を数センチ動かす。
テーブルの向きを変える。
棚の前にある物を移す。
それだけで、通りやすさや使いやすさが変わることがあります。
大きく模様替えをする前に、小さな変化を試してみてください。

3.期間を決めて、別の使い方を試す
家具を別の場所へ移したら、すぐに正解を決めなくても大丈夫です。
一週間だけ、別の配置で暮らしてみる。
使っていない椅子を、別の目的で使ってみる。
大きな家具の上に置いていた物を、一度すべて外してみる。
実際に暮らしてみると、眺めているだけでは分からなかった使いやすさに気づけます。
過去の選択を否定しなくても大丈夫
今の暮らしに合わない家具を見つけると、
「どうして、こんな物を買ってしまったのだろう」
と思うことがあるかもしれません。
でも、その家具を選んだときには、そのときの理由があったはずです。
家族のために必要だった。
憧れていた暮らしがあった。
当時の体には使いやすかった。
長く大切に使いたいと思った。
今、合わなくなったからといって、過去の選択が間違いだったわけではありません。
自分と暮らしが変わったから、家具との関係も選び直す時期が来ただけです。
過去の自分を責めるのではなく、
「今まで助けてくれて、ありがとう」
という気持ちで、これからの役割を考えてみましょう。
今日の小さな一歩
今日は、毎日使っている家具を一つ選んでください。
そして、いつものように使いながら、自分の体と動きを観察してみましょう。
自然に近づけるでしょうか。
無理なく座り、立ち上がれるでしょうか。
必要な物に、楽な姿勢で手が届くでしょうか。
使うために、何かをよけたり、体をひねったりしていないでしょうか。
小さな使いにくさを見つけたら、
・家具を数センチ動かす
・向きを少し変える、
・中に入れる物を入れ替えるなど、
一つだけ試してみてください。
過去の生活や理想のためではなく、今日の自分が自然に動き、心地よく過ごせるお部屋へ
家具との関係も、今の自分に合わせて少しずつ整え直していきましょう。
家具を整えて動きがかろやかになると、流れも変わっていきますよ。
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございます。
こちらの記事が何かしらのお役に立ちましたらうれしく思います。


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