家の中を歩くとき、家具や物を避けるために、無意識に体を半身にしていませんか?
床に置かれた物をまたいだり、
テーブルの角を避けたり、
いったん立ち止まらないと扉を開けられなかったり。
毎日のことなので、
「ちょっと通りにくいけれど、まあいいか」
と、そのままにしている場所もあるかもしれません。
以前の記事では、体が自然に動ける、体にやさしいお部屋についてお話ししました。
今回は、その通り道をコンテンポラリー風水の
家の動線と気の流れの視点から見てみましょう。

風水では、スムーズに歩けない場所は、単に体が通りにくいだけでなく、
家の中を巡るエネルギーも滞りやすいと考えます。
風水でいう「気の流れ」とは?
風水では、私たちを取り巻く生命エネルギーを「気」と呼びます。
「エネルギー」と聞くと、目に見えない不思議なものを想像するかもしれません。
けれど、難しく考えなくても大丈夫です。
人が歩く。
空気が通る。
光が入る。
視線が自然に奥へと向かう。
扉を気持ちよく開けることができる。
毎日の行動が滞りなく続いていく。
コンテンポラリー風水では、このような空間の動きも「気の流れ」を知る手がかりになります。
気は目で見ることができませんが、自分の体がその流れを教えてくれます。
すっと歩ける場所では、気持ちも軽く感じる。
物にぶつからないよう身構える場所では、知らないうちに体へ力が入る。
入りにくい部屋には、だんだん足が向かなくなる。
私たちが動きにくい場所では、暮らしの動きも止まりやすくなるのです。

体が止まる場所で、気も止まりやすい
水が流れる道の途中に大きな石があれば、水はその場所を避けたり、よどんだりしますよね。
家の中の気の流れも、それとよく似ています。
例えば、玄関に荷物が置かれていて、体をよけなければ入れない。
廊下に収納家具が張り出し、通るたびに肩を引いている。
椅子とテーブルの間が狭く、横向きにならなければ通れない。
扉の後ろに物があり、最後まで開けることができない。
床に物が置かれ、いつも同じものをまたいでいる。
こうした場所では、人の動きが一度止まります。
人の動きが止まる場所は、空気や視線、掃除、日々の行動も滞りやすくなります。
掃除機をかけにくい場所には、ほこりがたまりやすくなります。
通りにくい部屋には入らなくなり、使わない物が置かれるようになります。
物が増えると、さらに入りにくくなる。

こうして、動かない場所には、動かない状態が積み重なっていきます。
これが、風水でいう「気の滞り」を、暮らしの中で実感できる一つの形と言えます。
「通れる」と「気持ちよく通れる」は違う
家具の間に体が入れば、通り道はあると考えてしまいます。
けれど、
「通ろうと思えば通れる」
という状態と、
「何も意識せず、自然に歩ける」
という状態は違います。
通るたびにお腹を引っ込める。
肩を斜めにする。
足元の物を避ける。
家具にぶつからないよう、歩幅を小さくする。
このような小さな動作を、体は毎日繰り返しています。

一回だけなら、たいしたことではないと思いますよね。
でも、体が毎回「ここは気をつけなくてはいけない」と感じる場所では、心からくつろぐことは難しくなります。
自分では慣れてしまっていても、体はそのたびに小さく緊張しているのかもしれません。
風水で動線を整えるというのは、通路の幅を測ることだけではありません。
そこで暮らす人が、身構えずに気持ちよく動けるかを見ることなのです。
まずは玄関から歩いてみよう
家の気の流れを確かめるために、特別な道具は必要ありません。
自分の体を使って、いつもの家の中を歩いてみましょう。
まずは、玄関の外に立ちます。
そして、初めてこの家を訪れたつもりで、ゆっくり玄関を開けてください。
扉は最後まで気持ちよく開きますか?
入った瞬間、荷物や靴が行く手を遮っていませんか?
玄関から廊下、リビング、キッチン、寝室へ、自然な歩幅で進めますか?
歩きながら、次のような動作をした場所を覚えておきましょう。
- 体を半身にした
- 足元の物をまたいだ
- 歩幅を小さくした
- 家具をよけるために遠回りした
- 扉を開けるために一度後ろへ下がった
- 暗くて足元を確認した
- 物にぶつからないよう体へ力を入れた
そこが、気の流れを見直したい場所です。
できれば、その場所をスマートフォンで一枚撮ってみてください。
写真にすると、いつも見慣れていた空間を、少し離れた視点から見ることができます。

気の滞りをなくす5つの整え方
エネルギー(気)の滞りを改善することはすぐに取り組めます。
家にあるものを移動したり、風通しをよくしたり
小さな行動から始められます。
まず、一つやってみることが大切です。
こちらでお伝えしていきますね。
1.通り道にある物を、一つ移動する
家中を一度に片づけなくても大丈夫です。
まずは、歩くときに避けていた物を一つだけ移動させます。
床に置いた箱。
廊下にはみ出した収納用品。
何となく置いたままの紙袋。
一つなくなるだけでも、体の動きと空間の見え方は変わります。
2.扉を最後まで開けられるようにする
玄関や部屋の扉の後ろに、物を置いていませんか?
扉が途中までしか開かないと、出入りするたびに体の動きが止まります。
扉の周辺から物を移し、自然に開閉できるようにしてみましょう。
風水では、玄関は気の入り口です。
最初の一歩を気持ちよく踏み出せることが、家全体の流れにもつながります。

3.よく歩く場所を優先する
すべての場所を同じように整える必要はありません。
まずは、
玄関からリビング。
リビングからキッチン。
寝室からトイレ。
毎日何度も通る場所を優先してください。
よく使う動線が整うと、家の中で繰り返している多くの動作が、一度に楽になります。
4.暗くて使われていない場所に、光と空気を入れる
家の中に、あまり入らなくなった部屋や、物を置くだけになっている一角はありませんか?
使われない場所は、窓を開ける機会や掃除をする回数も減り、空気まで重く感じることがあります。
カーテンを開ける。
窓を開けて空気を入れ替える。
照明をつける。
床にある物を一つ片づける。
こんな小さなことだけでも、止まっていた場所に動きが戻り始めます。

5.整えたあと、もう一度歩いてみる
物を移動したら、同じ道をもう一度歩いてみてください。
先ほどより自然に歩けるでしょうか?
肩の力が抜けたでしょうか?
視線がすっと部屋の奥へ向かうでしょうか?
見た目が大きく変わっていなくても、
「あら、さっきより歩きやすい」
と感じられたら、そこにはもう変化が起きています。
自分の体で確かめることが、何より分かりやすい風水の答えです。
気は、速ければよいわけではない
気がスムーズに流れるといっても、玄関から窓まで何もなく、一直線に勢いよく抜ければよいわけではありません。
穏やかな川のように、家の中をゆったり巡ることが理想です。
長くまっすぐな廊下や、玄関から窓まで視線が一気に抜ける場所では、気が速く流れすぎると考えることもあります。
そのような場所では、通り道を物でふさぐのではなく、
照明で明るさに変化をつける。
壁に好きな絵を飾り、視線がふっと留まる場所をつくる。
通行を妨げない位置に植物を置く。
ラグで空間をゆるやかに分ける。
そんな方法で、流れに心地よいリズムをつくることができます。
止めるのではなく、急がせない。
それが、気持ちのよい流れです。
体がスムーズに動くと、暮らしのエネルギーも動き出す
スムーズに歩けない家は、本当にエネルギーが滞っているのでしょうか?
体が動きにくい場所では、人の行動が減り、空気や光、掃除や片づけといった暮らしの動きも止まりやすくなると考えています。
反対に、自然に歩ける場所では、動くことがおっくうになりません。
掃除がしやすくなる。
物を取りに行きやすくなる。
使わなかった部屋へも、足が向くようになる。
人が動けば、空気も動き、暮らしも動き始めます。
気の流れを整えることは、目に見えない何かを無理に信じることではありません。
自分の体が感じている小さな通りにくさに気づき、毎日の動きが自然につながるように、住まいを整えていくことです。

あなたのお家には、体を半身にして通っている場所はありませんか?
まずは今日、玄関からいつもの場所まで、自然な歩幅で歩いてみてくださいね。
そこに、家のエネルギーを動かす最初のヒントが見つかりますよ。
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございます。
こちらの記事が何かお役に立てましたら幸いです。
モノを一つ動かすことからスタートします。
何か一つでもいいので気になったことを取り組んでみてくださいね。


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