見た目のきれいさより、自分の「心地よい」を見つけよう
片づいているのに落ち着かないのは、見た目は整っていても、その部屋が自分の過ごし方や感覚に合っていないからかもしれません。
おしゃれな部屋を参考にしたり、生活感が見えないように片づけたりすることは、心地よい住まいをつくるきっかけになります。
けれど、誰かの素敵をそのまま自分の正解にしたり、
きれいな状態を保つために頑張りすぎたりすると、
そこで暮らす自分が窮屈になってしまうことがあります。
この記事では、きれいな部屋と心地よい部屋の違いや、憧れの部屋を自分の暮らしに合う形へ取り入れる方法、見た目だけにとらわれず自分らしい部屋をつくるヒントをお伝えします。
部屋はきれいなのになぜかくつろげない方や
片づけた状態を保つことに疲れてしまう方に、
自分にとって本当に心地よい部屋を見つけていただける内容です。
キレイな空間が心地よいとは限らない
床には物を置いていない。
テーブルの上もすっきりしている。
収納の中も、きれいに整っている。
「これで心地よく過ごせるはず」
そう思っているのに、なぜか落ち着かない。
用事もないのに立ち上がったり、別の部屋へ移動したくなったりする。
そんなことはありませんか?
片づいているのに落ち着かないと、
「まだ物が多いのかな」
「もっと片づけなくてはいけないのかな」
と思ってしまいますよね。

でも、必要なのは、さらに物を減らすことではないのかもしれません。
一度、見た目から離れて、
「私は、この部屋で心地よく過ごせているかな?」
と、自分の感覚を確かめてみましょう。
きれいな部屋と、心地よい部屋は同じではない
例えば、ホテルの客室を思い浮かべてみてください。
物が少なく、ベッドも美しく整えられています。
一晩を過ごすには、とても快適です。
けれど、そのままの部屋で毎日暮らしたいかと聞かれると、少し違うと感じる方もいるのではないでしょうか。
いつも読む本がある。
気に入っているカップがある。
少し不格好でも、体になじんだクッションがある。
そうした自分らしい物があることで、私たちは「ここは私の居場所だ」と感じられます。
見た目のきれいさは、外から見ても分かります。
けれど、心地よさは、そこで暮らす人にしか分かりません。
だから、片づけの完成を、見た目だけで決めなくてもよいのです。
かえって自分らしさ、自分の印(しるし)みたいなお気に入りのものが見えている方が落ち着くのかもしれませんね。
誰かの「素敵」を、自分の正解にしていませんか?
SNSや雑誌で見つけた、素敵なお部屋。
色がきれいにそろった収納
生活感のないテーブル
余白のある、美しいインテリア
見ていると、「私もこんなお部屋にしたい」と憧れますよね。
私も素敵なお部屋の画像を見るのが好きです。
自分の家をもっと心地よくしたいと思ったとき、誰かのお部屋を参考にすることは、決して悪いことではありません。
自分では思いつかなかった家具の置き方や、物の組み合わせを知ることができます。
「こんな雰囲気が好きだったんだ」と、自分の好みに気づくきっかけにもなります。
ただ、ここで気をつけたいのは、素敵だと思った部屋の形を、そのまま自分の正解にしないことです。
写真に写っているのは、その人の家であり、その人の暮らしです。
家の広さも、窓から入る光も、収納の量も違います。
家族構成や生活時間、よく使う物も違います。
眺めて美しい部屋が、自分にとって動きやすいとは限りません。
モデルルームのようなテーブルに憧れて、何も置かないようにしたけれど、本当はそこで毎朝お茶を飲みたい。
生活感のない収納をまねしたけれど、よく使う物まで隠したため、出し入れが面倒になった。
淡い色だけでまとめたけれど、好きな物までなくなったようで、どこか寂しく感じる。
そんなこともあります。
大切なのは、写真をそのまま再現することではありません。
まずは、そのお部屋の「何に惹かれたのか」を見つけることです。
光のやわらかさでしょうか。
物の少なさでしょうか。
木の温もりでしょうか。
好きな色の組み合わせでしょうか。
ゆっくりお茶を飲めそうな雰囲気でしょうか。
惹かれた理由が分かると、同じ家具をそろえなくても、その心地よさを自分の家へ取り入れられます。
例えば、明るい窓辺に惹かれたなら、窓の近くに座れる場所をつくる。
余白のあるテーブルに惹かれたなら、全部を何もない状態にせず、お茶を置ける場所だけ空けてみる。
木の温もりに惹かれたなら、小さなトレーや写真立てから取り入れる。
誰かの素敵を、そのまま借りるのではなく、
「私は、ここに何を心地よいと感じたのだろう」
と、自分に問いかけてみる。
そうすることで、憧れは誰かの正解ではなく、自分の望みを知るためのヒントになります。

生活感をなくしすぎると、自分の居場所ではなくなる
すっきりとしたお部屋にしたくて、目に見える物をすべて収納した。
テーブルの上には、何も置かない。
本もカップもひざ掛けも、使い終わったらすぐに片づける。
見た目は、とてもきれいです。
けれど、その部屋で過ごそうとすると、何となく落ち着かないことがあります。
それは、生活感と一緒に、自分が心地よく過ごすための物まで遠ざけてしまったからかもしれません。

例えば、いつも読む本が手の届く場所にある。
好きなカップで、温かいお茶を飲める。
肌寒いときに、すぐ使えるひざ掛けがある。
そうした物は、写真の中では生活感に見えるかもしれません。
でも、そこで暮らす人にとっては、心地よい時間をつくるために必要な物です。
美しいお部屋とは自分が大切にしたい時間に必要な物を、無理なく使えるお部屋でもあるのです。

きれいな状態を保つために、頑張りすぎていませんか?
せっかく片づけたのだから、散らかしてはいけない。
使った物は、すぐに元の場所へ戻さなければならない。
テーブルには、何も置いてはいけない。
クッションは、いつもきれいにそろえておきたい。
そう思いながら、きれいな状態を保つために頑張りすぎてしまうことがあります。
本を読み終える前に、出してあることが気になって片づける。
お茶を飲んでいても、カップを早く洗わなければと思う。
少し横になりたくても、整えたクッションを崩すのをためらう。
家族が物を置くたびに、自分が片づけて回る。
これでは、お部屋で休むはずが、きれいな状態を守ることが新しい仕事になってしまいますよね。
お部屋は、いつも完成した写真のようでなくても大丈夫です。
本を読み、お茶を飲み、ひざ掛けを広げれば、部屋の景色は変わります。
それは、散らかっているのではなく、今まさに暮らしている途中です。
大切なのは、一度も物が動かないことではありません。
使いたいときに気持ちよく使えること
使い終わったあとに、無理なく戻せること
片づけるために暮らすのではなく、暮らしやすくするために片づけることです。
その部屋で、本当はどう過ごしたいのでしょう
リビングだから、ソファとテレビを置く。
ダイニングだから、テーブルで食事をする。
部屋の名前から、置く物や過ごし方を決めていることがあります。
でも、その部屋で、自分は本当は何をしたいのでしょう。
ゆっくり本を読みたい。
お茶を飲みながら、窓の外を眺めたい。
床で体を伸ばしたい。
音楽を聴きたい。
家族と話したい。
一人で静かに過ごしたい。
望んでいる時間が違えば、必要な物や余白も変わります。
片づいているのに落ち着かないときは、部屋の見た目と、自分が望んでいる過ごし方が合っていないのかもしれません。
「リビングは、こうあるべき」ではなく、
「私は、ここでどんな時間を過ごしたい?」
と考えてみてください。
自分の望みが分かると、出しておきたい物や、しまっておきたい物も選びやすくなります。

自分の「心地よい」は、実際に過ごして確かめる
心地よい部屋をつくろうとしても、最初から答えが分からないことがあります。
そんなときは、部屋を眺めて頭で考えるだけではなく、実際にその場所で過ごしてみてください。
いつもの場所に座る。
ゆっくり息を吐く。
目に入るものを眺める。
そして、自分がどう感じているかを確かめます。
ほっとするでしょうか。
何となく物足りないでしょうか。
すぐに立ち上がりたくなるでしょうか。
もっと近くに置きたい物はないでしょうか。
反対に、視界から遠ざけたい物はないでしょうか。
「きれいなはず」「素敵なはず」と考える前に、今の自分がどう感じているかを大切にします。
うまく言葉にできなくても大丈夫です。
ここは好き。
こちらを向くと落ち着く。
この物があるとうれしい。
何となく、この場所には長くいたくない。
そんな小さな感覚が、自分に合う部屋をつくる手がかりになります。
一度に変えず、一つずつ試してみよう
落ち着かない理由を見つけても、お部屋全体を変える必要はありません。
まずは、気になるものを一つ選んでみましょう。
飾るためだけに置いていた物を、一つ外してみる。
しまい込んでいた好きなカップを、使いやすい場所に出してみる。
クッションを一つ減らして、座る余白をつくる。
よく読む本を、手に取りやすい場所へ置く。
そして、その状態でしばらく過ごします。
「前より、この場所にいたくなった」
「少し寂しくなったから、元に戻したい」
「きれいに見えることより、使いやすいほうが好きだった」
どの感想も、間違いではありません。
試して、感じて、選び直す。
それを繰り返すことで、自分の心地よさが少しずつ分かってきます。

今日の小さな一歩
今日は、家の中でいちばん長く過ごす場所に座ってみてください。
片づいているかどうかを確認するのではなく、
「私は、ここで本当に心地よく過ごせているかな?」
と、自分に聞いてみましょう。
そして、次の二つを考えてみます。
「ここで、どんな時間を過ごしたい?」
「そのために、近くに何があるとうれしい?」
思い浮かんだ物があれば、一つだけ置いてみてください。
逆に、見た目のためだけに置いている物があれば、一度外してみてもよいでしょう。
見た目の美しさを楽しむことも、大切です。
でも、その部屋で毎日を過ごすのは、自分自身です。
誰かに褒められる部屋でも、写真にきれいに写る部屋でもなく、自分が自然に笑ったり、休んだり、好きなことをしたりできるお部屋へ
誰かの正解に自分を合わせるのではなく、自分の「心地よい」を、お家の中に少しずつ取り戻していきましょう。
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございます。
こちらの記事が何かのお役に立ちましたら幸いです。

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