扉が開きにくい家は、行動にもブレーキがかかる?

部屋


「開けるのが面倒」を減らして、暮らしの動きを軽くしよう

 

家の中に、すっと開かない扉はありませんか?

扉の後ろに物が置かれていて、途中までしか開かない。

クローゼットの前に荷物があり、まず物を動かさないと開けられない。

収納扉の中から物が倒れてきそうで、そっと開けている。

取っ手が使いにくかったり、扉が重かったりして、開けるたびに少し力が必要になる。

毎日のことなので、

「このくらいなら困らない」

「開けようと思えば開けられるから」

と、そのままにしている場所もあるかもしれません。

けれど、その小さな開けにくさが、私たちの行動を知らないうちに止めていることがあります。

 

 

扉を開けるまでに、いくつの動作が必要ですか?

たとえば、クローゼットからバッグを取り出したいとします。

扉の前に置いてある物を動かす。

倒れない場所を探して、それをいったん置く。

扉を半分だけ開ける。

体を斜めにしながら、すき間へ手を伸ばす。

バッグを取り出したあと、移動させた物を元へ戻す。

本当は「バッグを取る」だけだったはずなのに、いくつもの動作が増えています。

一回なら、たいしたことではないと思いますよね。

でも、それが毎日繰り返されると、

「今は開けなくてもいいか」

「あとでやろう」

「別の物で済ませよう」

という気持ちが生まれます。

扉の開きにくさは、体の動きを止めるだけではありません。

その奥にある物を使うことや、片づけることまで、少しずつ遠ざけてしまうのです。

 

扉は、場所と場所をつなぐもの

扉には、二つの空間を分ける役割があります。

玄関の扉は、外の世界と家の中。

 

部屋の扉は、廊下とそれぞれの部屋。

 

収納の扉は、今見えている空間と、その奥にある物。

 

扉を開けることで、私たちは次の場所や、必要な物へ進むことができます。

そのため扉は、象徴として見ると、

「次へ進むこと」

「新しい可能性をひらくこと」

を表しているとも考えられます。

 

ただし、扉が開きにくいからといって、人生の可能性まで閉ざされているということではありません。

けれど、毎日使う扉がすっと開くと、体が止まらず、行動が自然につながります。

反対に、扉を開けるたびに何かをよけたり、力を入れたりしていると、その場所へ向かうこと自体が面倒になってしまいます。

「開けにくい」という小さな環境のブレーキが、

「やらなくてもいいかな」

という心のブレーキにつながることがあるのです。

 

開けなくなった扉の奥には、何がありますか?

開きにくい扉があると、私たちは次第にその扉を使わなくなります。

すると、扉の奥にある物も、暮らしの中から遠ざかっていきます。

以前は好きだった洋服。

使いたいと思って買った道具。

いつか読みたいと残している本。

大切だけれど、見ると少し心が動く思い出の品。

扉を開けなくなった理由は、物理的に開けにくいからだけではないかもしれません。

奥にある物を、今の自分が必要としているのか分からない。

量が多すぎて、見るだけで疲れてしまう。

手放すかどうか、まだ決められない。

そんな気持ちを、扉が静かに隠してくれていることもあります。

だから、扉を整えるときは、いきなり中の物を全部出さなくても大丈夫です。

まずは、「私は、なぜこの扉を開けなくなったのだろう」と、自分に聞いてみてください。

 

 

家の中の扉を、一つずつ開けてみよう

玄関から家の中を歩きながら、普段使っている扉をゆっくり開けてみましょう。

部屋の扉。

クローゼット。

押し入れ。

洗面台やキッチンの収納。

引き出しも、横へ動く小さな扉と考えて、一緒に確認してみます。

開けながら、次のようなことがなかったか見てみましょう。

  • 扉の前にある物を移動した
  • 途中までしか開かなかった
  • 体を後ろへ引いたり、横にしたりした
  • 取っ手を握るとき、手首や指に力が入った
  • 中の物が落ちないよう、そっと開けた
  • 開けたあと、戻すことが面倒に感じた
  • 開けるのをやめたくなった

その瞬間が、暮らしの中にある小さなブレーキです。

 

行動を軽くする5つの整え方

すべての扉を一度に直そうとしなくても大丈夫です。

まずは、毎日よく使う扉を一つだけ選んでみましょう。

 

1.扉の前と後ろから、物を一つ移動する

扉の前にある紙袋や収納箱。

扉の後ろに置いたバッグや掃除道具。

まずは、開閉のたびによけている物を一つ移動します。

扉が本来開くところまで、無理なく動かせる状態をつくりましょう。

 

2.扉を最後まで開けてみる

物を移動したら、扉をゆっくり最後まで開けてみます。

今まで見えなかった場所が見えたり、奥の物へ手が届きやすくなったりするかもしれません。

「こんなに大きく開く扉だったのね」

と気づくこともあります。

扉の可動域が戻ると、私たちの体にも、動ける余白が戻ります。

 

3.中の物を、すぐに取れる量にする

扉が開いても、中に物が詰め込まれていると、必要な物を取り出すまでに時間がかかります。

すべてを片づけるのではなく、まずは扉を開けた正面だけを見直してみましょう。

よく使う物が手前にあるか。

一つ取るために、ほかの物を動かしていないか。

上から物が落ちそうになっていないか。

よく使う物が、扉を開けたらすぐ手に取れる。それだけでも、日々の行動は軽くなります。

 

4.取っ手や動きに不具合がないか確認する

物がなくても扉が重い場合は、蝶番のゆるみやずれ、レールの汚れ、取っ手のがたつきなどがないか確認します。

扉そのものが変形していたり、強い力を入れなければ動かなかったりする場合は、無理に使い続けないでください。

賃貸住宅なら管理会社や大家さんへ、持ち家なら修理の専門家へ相談しましょう。

「使いにくいけれど、まだ使える」と我慢し続けるより、安全に直すことも大切な整え方です。

 

5.整えたあと、目的の動作までやってみる

扉が開くことだけを確認するのではなく、その奥の物を一つ取り出し、元へ戻すところまで行ってみましょう。

クローゼットなら、服を一着取って戻す。

洗面台なら、タオルを取り出す。

キッチンなら、鍋や食器を出して元へ戻す。

途中で体が止まらず、少ない動作でできたなら、扉だけでなく、暮らしの流れも整っています。

 

閉めるときの心地よさも確かめよう

扉は、開けばよいというものでもありません。

使い終わったあと、自然に閉められることも大切です。

閉めるために物を押し込んでいないか。

何度もやり直さないと閉まらない状態になっていないか。

大きな音を立てなければ閉まらない扉になっていないか。

 

すっと開き、必要な物を使い、無理なく戻して、静かに閉められる。

この一連の動作が自然につながると、片づけることへの抵抗も小さくなります。

扉を整えるとは、何もかも見えるようにすることではありません。

必要なときに開き、使い終えたら安心して閉じられる。そんな心地よい境界をつくることなのです。

 

 

扉がひらくと、次の行動が始まる

扉が開きにくいから、行動できない。

必ずしも、そういうことではありません。

けれど、毎日の暮らしの中にある小さな使いにくさを減らすと、今まで面倒に感じていた行動が、思っていたより簡単にできることがあります。

扉の前から物を一つ移す。

取っ手を拭く。

扉を最後まで開ける。

その奥にある物を一つ、手に取ってみる。

そんな小さな行動が、止まっていた暮らしを動かすきっかけになります。

扉は、次の場所へ進むためにあります。

そして扉を開けるのは、いつも自分です。

 

今日は、家の中にある扉を一つ選んで、ゆっくり開けてみませんか?

その向こうには、忘れていた物だけでなく、これから始めたいことへの小さな入り口も見つかるかもしれません。

 

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございます。

こちらの記事が何かお役に立ちましたらうれしく思います。

 

使わなくなったお部屋や収納などありましたらぜひ、振り返ってみてくださいね。

あなたの心の忘れ物や見落としているものにきっと気付くはずです。

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